両目の視線が目標に向かってそろわず、片方の目の視線が別の方向に向かっている状態を「斜視」といいます。
子どもの約2%に見られ、眼の向きにより「内斜視、外斜視、上下斜視」に分けられています。目の位置の見た目の異常のほか、両眼視(両目で見たことで得られる立体感覚や遠近感)の異常や、はずれたほうの目が弱視などを伴うことがあります。
※白色の点は、フラッシュをたいて写真を撮ったときの光の反射点
※偽斜視・・・赤ちゃんは鼻の根元が低くて広いために、白目の内側が見えない場合があり、あたかも内斜視のようにみえることがあります。見かけ上のものであり、本当に斜視があるわけではないのでこれを偽斜視といいます。成長に伴い顔立ちがはっきりしてくると目立たなくなります。
遠視などの屈折異常・片眼の視力不良・両眼視の異常・目を動かす筋肉の麻痺などが原因となります。
斜視の種類や年齢に応じて治療法も異なりますが、治療の目標は大きく3段階に分かれます。
1)まず一番大切なことは、両目の視力をよくすることです。斜視ではずれている方の目が弱視になっていれば、これを改善していくことが斜視治療の第一歩です。
2)次に、目の位置をまっすぐにすることです。メガネを使用するだけでまっすぐになることもありますが、場合によっては手術を必要とします。斜視の種類によって、手術が必要かどうか、何歳のときにどのような手術を行うかなどが異なります。
3)最後の目標は、両方の目で物を見る力を獲得することです。両方の目で見たものを、脳で一つの像にまとめる機能を両眼視といいます。両眼視することによって見た物が立体的に見ることができます。
目の機能の発達にもっとも大切なのは幼児期で、家族の方のちょっとした注意で斜視や弱視が見つかることもあります。少しでもおかしいと思ったら、必ず眼科医に相談してください。
※小さいお子さんは検査や診察時に緊張して眼位ずれが検出されにくいことがありますので、日常での写真や動画を持ってきてもらうと診断に役立ちます。
斜視、弱視について詳しい説明はこちらをご覧ください。(提供:日本弱視斜視学会ホームページ)